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FIWARE Big Bang と M5Stack による FIWARE 対応 IoT システムの構築

本記事では、クラウド上の FIWARE 基盤に IoT デバイスから測定データを定期的に送信したり、FIWARE 基盤から IoT デバイスを制御したり、する方法を紹介します。

本記事を含め、次の複数の記事から構成されています。

実現できること

センサの測定値をクラウド上の FIWARE 基盤に送信できる

センサの測定値をクラウド上の FIWARE 基盤に送信できます。このシステムでは、M5Stack に接続したセンサから測定値を読み取り、クラウド上にある FIWARE 基盤に送信できます。温湿度と気圧の測定値は、Orion Context Broker の IoT デバイスに対応するエンティティの属性値となります。

クラウド上の FIWARE 基盤から IoT デバイス を制御できる

クラウド上の FIWARE 基盤から IoT デバイスに指示を出すことができます。このシステムでは、M5Stack の LED を点灯、消灯する制御を行います。

システム構成

システムは、クラウド上の FIWARE 基盤と、IoT デバイス です。FIWARE 基盤と IoT デバイス間の通信には、トランスポート・プロトコルとして MQTT を使用します。Payload には、UltraLight 2.0 を使用します。

クラウド上にある MQTT Broker と IoT デバイス間の通信は TLS で暗号化され、MQTT Broker への接続にはユーザ名とパスワードが必要なため、通信は保護されます。

クラウドには、FIWARE 基盤として、Keyrock, Orion, IoT Agent for Ultralight 2.0, Mosquitto (MQTT Broker) および Node-RED を構築します。MQTT および Ultralight 2.0 に対応した IoT デバイスには、M5Stack を使用します。

FIWARE IoT Agent for Ultralight 2.0 とは

FIWARE には、IoT Agent と呼ばれる、既存の IoT プロトコルと NGSI の橋渡しをする Generic Enabler があります。これを利用すると、既存 IoT プロトコルを使用して、エンティティ情報を更新することができます。各種 IoT プロトコルに対応した、複数の IoT Agent があります。

IoT Agent for Ultralight 2.0 は、帯域幅やデバイスのメモリが制限された、制約のあるデバイスとの通信を目的とした、軽量のテキスト・ベースのプロトコルです。トランスポート・プロトコルには、HTTP や MQTT が使用できます。M5Stack のような IoT デバイスに適した、IoT Agent です。

システム要件

クラウドにFIWARE 基盤を構築する、および、FIWARE 対応 IoT デバイスを作成するため、次のものが必要となります。

  • パブリック IP アドレスを持つ仮想マシン
  • 独自ドメイン
  • 小型マイコンモジュール M5Stack Fire (他の M5Stack でも対応可能)
  • 温湿度、気圧センサー ENV III Unit (SH30, QMP6988)
  • 環境構築やプログラムのビルドに使用するクライアント・マシン

オープンソース

FIWARE 基盤を構築するため、FIWARE Big Bang を使用します。FIWARE 対応 IoT デバイスを作成するためのサンプルプログラムを提供します。これらは 、以下の GitHub のリポジトリで MIT ライセンスのオープンソースとして公開しています。

次のステップ

次のステップでは、FIWARE Big Bang を使って、MQTTに対応した FIWARE 基盤をクラウド上に構築します。